電気代が凄いので太陽光発電の導入を検討している自作erの話 Vol.02 MLPE(モジュールレベルパワーエレクトロニクス) とちょっとヤバい臭いがする商品

前回の続きといえば続きだけど独立したMLPEについての内容

電気代が凄いので太陽光発電の導入を検討している自作erの話

 

鉱夫であったり、ベンチマーカーであったりする自作er目線で太陽光発電を調べて得た知識を披露するシリーズ第02弾

内容の正しさは保証しないと予防線は張っておく。変な誤解をしてなけりゃ9割5分は間違ってないと思うけど

 

 

この記事は一般的に重視されるコスパは取りあえず脇に置く

重視されるのはスペックシートであり、先進的な機能である

 

 

しかしながら、日本が太陽光パネルで世界シェアの4割を握ってた頃から約15年*1が経って市場シェアどころか機能面でも先進的で面白い製品が市場に投入されていなかったりする*2

 

 

前回でも触れたMLPE(Module Level Power Electronics - モジュールレベルパワーエレクトロニクス)の事が語り足りない

特に前回一切触れなかったマイクロインバーターについて

 

俺が語るよりもプロが語るYoutubeを見たほうがわかりやすい話なんだけど*3

www.youtube.com

一言でいうとMLPEとはパネル一枚ごとに「オプティマイザ」や「マイクロインバーター」といった装置を搭載して管理する方式である

 

図は現在の主流方式*4

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パネルで発電されたDC(直流)を接続箱で束ねてパワーコンディショナーでAC(交流)に変換して普通に使える電気しているのが今日本では一般的な方式

図だと4つの太陽電池アレイ束ねてをパワーコンディショナーが制御している

 

主流方式だと電気を作って使う、そして余った分は売るという需要を満たすには十分な方式ではあるが、色々とデメリットというか痒い所に手が届かない*5

 

痒いところリスト

  1. パネルごとに状況を把握できない
  2. 別製品のパネルを混在させてシステムを動かせない
  3. 一部パネルの発電量の低下が起きると、低下したパネルの出力に他パネルの出力も落とされてしまう
  4. 風でパネルが飛んだ時、火災の消化時*6に太陽光がある限り発電し続けて感電の危険性がある

 

このかゆみを止めるのがMLPE

そのための装置がオプティマイザとマイクロインバーター

 

これだけいいことづくめに見えるのに何で普及しないのという疑問が湧くが一言で答えられる

 

高い!

 

売れないから高いのか、高いから売れないのかはわからない

 

オプティマイザ

パワコンに追加してオプティマイザ(最適化装置)がパネル1枚か2枚ごとに追加が必要になる

機能の一部をパワコンからオプティマイザに移しているのでパワコンが安く済むとはいえ合計で見ると主流方式と比べると2倍*7の値段がするらしい

 

アメリカではパネルに異常が起こった時に電流を止めるラピッドシャットダウンという機能が安全基準として義務付けられてる

だから高くても売れるんだろうけど、日本にはそういうのまだないから高コスト要因は回避されがち

遅かれ早かでで日本でも義務化はされるとは予想するけど*8

 

 

マイクロインバーター

読んで字のごとく小さなインバーター(=パワコン)をパネルに直付けするってとても簡単な技術

仕組みは簡単でも小型で高効率なインバーターを普及させられるレベルで作るのはとても大変なんだろうなと予想はする

 

日本ではエクソルが販売しているが、パネル3枚1kwで398,000円*9と1kw単価が20万以下が基本のこのご時世でありえないレベルの値段

エクソルがぼってるとかいう話ではなくアメリカでもオプティマイザ方式より高く主流方式より20~30%値が上がる*10

でも2倍は流石にやりすぎだわ

 

LG NeON R ACe Solar Panel SunPower Maxeon 5 AC Modulesとハイエンドパネルのメーカーがラインナップしているのを見るとアメリカで普及しているのかはわからないがこれから来る技術

 

インバーターはPSUの逆の働きをするって事を考えると流れる電流が少ないとはいえ80PLUS TITANIUMクラスの変換効率で外気にさらされながら25年の動作保証されるマイクロインバーターって凄い

 

 

 

終わり

技術的に面白そうとか便利そうとか思っても扱ってる施工業者どこ?

 

FIT制度は太陽光発電の促進には大いに役に立ったが呼び込んだのは投資家というか投機家やさらにそれに乗っかるアフィリエイターばっか

施工業者もそう

検索しても精度の低い情報、いくら儲けられるとか重要ではあるが面白みのない情報しか引っかからない*11

 

その点自作PCはいい

YouTuberやマイナーで若干きな臭さでてきたけど

それでもよくわかんない検証や謎の改造をするやつはまだ検索で引っかかってくる

店舗に行けば店員はだいたい好きなやつ。仕事のための勉強してるわけじゃなくアップデートされ続ける情報を吸収して詳しくなってるタイプ

 

発信力の人間が太陽光発電そのものに興味がないもんだから新製品や新技術の話があまり知られないまま埋もれていってるに違いない

 

ベンチマーカー的な思考を持ってたら「同じ発電量のパネルを同じアレイに組み込んで実発電量をベンチとる」とか「Qセルズは曇りに強いと謳ってるがそれは本当か5、6月に他メーカーと並べて検証」とかやってる

 

ここまで書いて何だが冷静に考える

  1. イニシャルコストが高い
  2. 中古市場がないのでベンチ即売ができない
  3. 性能低下はあるがパネルは半永久的つかえる
  4. ムーアの法則的な短期間での劇的な性能向上がない
  5. 設置に電工二種以上の資格がいる

趣味でやるにはなかなかハードルの高い

 

それでも太陽光発電DIY関係には面白いのが居る

www.youtube.com

 

 

オマケ

マイクロインバーターの日本で売ってるやつがないかと探した

凄い面白そうなものを見つけてしまった

パネルで発電した電気をコンセントから家中に送り込むという仕様

グリッドタイインバーター*12というものであって別物みたい

マイクロインバーターのシェアNo1のENPHASEのサイトを見たところここで作ってるやつはグリッドタイインバーターの機能は内蔵済みのよう

パネルに対して一対一なのがマイクロインバーターで、一対多なのがグリッドインバーターかな?普通のパワコンとの違いは扱える電気の容量かな?

 

わからん

 

昔小さなブームだった電動アシスト自転車として売られてたけど実際はモーター走行かのうな電チャリ的な脱法感

手続きせずに追加すれば売電量底上げできそう

俺は好きだよ

 

 

 

 

*1:太陽光発電の市場動向 - Wikipedia

*2:研究レベルならペロブスカイト型とかあるんだけども。 俺がこれは日本なのに面白い! って技術教えてくれた人ウォレットのQR張ってくれたらイーサでビール一杯おごる

*3:限定公開だけど公開URLからのリンクがあるからいいんだろう - Module Level Power Electronics (MLPE)の特徴と最近の動向 カンファレンス SOLAR EXPO ONLINE

*4:FIT申請のページから持ってきた

*5:PCで例えると親やあまり詳しくない友人にどれ買えばいい?みたいな相談を受けて薦める下の上か中の下程度で詳しくない人間が使うにはいいけど自分じゃわざわざ買わないPCのようなもの

*6:アスクルの火災の鎮火がよく言われるが、太陽光は濡衣

https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/items/kento219_39_houkokusyo.pdf

*7:【ソーラーエッジ⑤】取り換えたほうが得か?損か? - YouTube

*8:台風一過で吹っ飛んだパネルを拾おうとした人が感電死すりゃ即

*9:エクソルが住宅用太陽光の新システム「ジャストコンパクト」を発表、パネル1枚からでも設置可能に!|SOLAR JOURNAL

*10:Micro Inverters & AC Solar Panels - Are they worth it? | Solar Quotes

*11:Googleのせい特に日本支社の責任もある

*12:日本だとグリッドインバーター